「満腹食堂とは」
大田区、羽田空港線駅周辺を中心に栄えた下町糀谷。そこにある西糀谷商店街。
その一角に、主人公、貴子が、夫、裕一郎と営む「満腹食堂」がある。
関西から駆け落ちをした貴子の両親は、1960年、この「満腹食堂」を始める。
1967年に貴子、10年後に弟の直行が生まれるが、
やがて父も母も、病魔や過労のため若くして他界してしまう。
貴子は高校を中退し、弟直行の面倒をみながら「満腹食堂」を継ぎ、
まるで母の生き写しのように育っていった。
東京生まれの東京育ちではあるのだが、
感情が不安定になると、母親譲りの関西弁がでてしまう。
「泣いたらあかん」は、母から散々言われて育った、貴子の口癖。
西糀谷商店街では、今でもこの言葉が、
どこからともなく聞こえてくるのである。
「あらすじ」
2006年10月。西糀谷商店街。空港線高架工事に伴い、様々な変化が現れている。
2001年7月7日に、この世の奇跡とばかりに結婚し早5年と数か月。相変わらず、
威勢だけはいい貴子だが、望んでも望んでも子宝には恵まれず、あっという間の39歳。
なんやかやと人の世話を焼きながら、おかあちゃん根性むき出しに暮らしているが、
最近周りの様子がどんどん変わっていき、どうもその変化にうまくついていけなく
なっている。貴子が世話を焼いてきた仲間たちも、徐々に成長、発展を遂げ、
貴子は
次第に自分だけが取り残されていく気持ちを抱き始めていく。
泣いたらあかんシリーズ完結編。貴子とその仲間たちは、この先どうなって行くのか・・
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